この記事では、韓国ドラマ『ミスターサンシャイン』のあらすじやキャストをご紹介します。『ミスターサンシャイン』は実話であるともいわれ、その結末にも注目されました。テレビドラマとしては異例の430億ウォン(約43億円)という制作費を投じた作品で、2018年の韓国ドラマ視聴率では第2位を記録しています。『トッケビ』『太陽の末裔』で知られるキム・ウンスク氏が脚本を手がけています。
『ミスターサンシャイン』あらすじ
主演:tvN DRAMA
『ミスターサンシャイン』は、朝鮮で生まれ育ち、後にアメリカに渡る1人の人物ユジン・チョイの物語です。朝鮮という国に両親を殺害され、自らも捨てられたと認識しているユジンは、アメリカに帰化し仕事のために朝鮮を訪れました。朝鮮を祖国とは思っていないユジンは、人々に冷たい視線を向けていましたが、そこで出会うエシンという女性によって運命が変わっていきます。
『ミスターサンシャイン』キャスト
それでは『ミスターサンシャイン』のキャストをご紹介します。一部では、日本の心証が悪くなると批判的な声も寄せられたこの作品。親日派の韓国人も描かれ、また日本人と結婚させられ日本人として生きる人物も登場します。歴史認識は双方の国で違いますので、韓国と日本ではまた異なる印象を抱く作品でしょう。そんな『ミスターサンシャイン』で逃れられない運命のもと生きる人物たちは、以下の通りです。
イ・ビョンホン(ユジン・チョイ役)
ユジン・チョイは、朝鮮の貴族の下で働く奴婢(奴隷に近い存在)の家庭で生まれました。1871年に勃発した辛未洋擾で両親を殺害され、9歳のとき、たった1人でアメリカに渡りました。その後米軍海兵隊の大尉となり、再び祖国である朝鮮に戻ることになります。ユジンにとって祖国・朝鮮は、自両親を奪われ自らも捨てられた場所。ユジンはアメリカ国籍を選び、祖国・朝鮮を利用しアメリカを偉大な国にすることを決意していました。しかし、朝鮮に戻りエシンという女性に出会うと、運命の歯車が狂い出します。
キム・テリ(コ・エシン役)
コ・エシンは、朝鮮時代の最高名門家である士大夫の令嬢です。コ家は朝鮮の精神的支柱であり、エシンはその最後の血族でした。朝鮮の主権を取り戻すために奮闘していました。顔も知らない許嫁で資産家の息子・ヒソンをあてがわれたエシンでしたが、その許嫁は日本に留学したまま10年以上戻りません。いつの間にか根気を逃しテシマッタエシンは、あるときアメリカからやってきた冷たい男・ユジンに出会います。
ユ・ヨンソク(ク・ドンメ/石田翔 役)
ク・ドンメは、朝鮮時代の最下位階級である白丁(朝鮮の身分階級における最下層の人民)の息子として生まれ育った男です。人ともみなされない奴隷という身分だったドンメは、幼くして部落を出て日本に渡りました。日本では「石田翔」という名前で生き、持ち前の刀の能力によって向かうところ敵なしとなったドンメ。ドンメは、ずっと思いを寄せていたエシンに会うために朝鮮に戻ってきました。鋭い目力と見事なアクションを見せるユヨンソク 結婚相手についての記事も参考にしてみてください。
キム・ミンジョン(工藤陽花 役)
イ・ヤンファという名前で生まれた工藤陽花(くどう・ひな)は、もともと朝鮮人でした。しかし、親日派である父親イ・ワニクが日本人の老資産家に嫁がせ、日本人となりました。結婚相手はわずか5年で亡くなり、工藤陽花は莫大な遺産を相続。ホテル・グローリーの社長となりました。ユジンに好意を寄せていますが、ユジンがエシンに惹かれていることを知り、2人の仲を引き裂こうと行動します。
『ミスターサンシャイン』は実話なの?
『ミスターサンシャイン』は、実話をもとにしたドラマだと言われています。GLOBEによると、韓国で実際にとある独立運動家の遺骸が100年ぶりにアメリカから帰国したというニュースが報じられたそうです。その際行われたシンポジウムのテーマが「独立した祖国でまた会いましょう」でした。実はこのテーマとなった文言、ほかでもない『ミスターサンシャイン』のラストシーンでエシンが放った言葉なのです。ドラマのセリフがシンポジウムのテーマになった理由は、その帰国した独立運動家の遺骸が本作のモデルになった人物だったからだそうです。
韓国独立に貢献した人物「ファン・ギファン」とは
アメリカから帰国し、大々的な奉還式が行われたのは「ファン・ギファン」という人物。韓国では、日本からの独立を果たした1948年以降、国の独立に貢献した人物を探し出して表彰する制度を設けています。ファン・ギファン氏もその1人で、国が長らく探し求めていた人物でした。ファン・ギファン氏は1923年にニューヨークで亡くなっており、2008年には墓があることが確認されています。
直接的な結びつきはない
ファン・ギファン氏が『ミスターサンシャイン』のモデルになっているかというと、直接的な結びつきはありません。あくまで『ミスターサンシャイン』は脚本家が創作したものであり、事実に基づいているという根拠はないのです。しかし、ドラマの大ヒット後にファン・ギファン氏が表彰されたことで、因果関係があるものといわれたのでしょう。実際にファン・ギファン氏と『ミスターサンシャイン』の主人公ユジン・チョイの共通点は、アメリカ出身であることと、独立運動に関わったことの2点のみ。朝鮮に帰国すらしていないのです。
『ミスターサンシャイン』の結末は?
『ミスターサンシャイン』の結末は、ドラマの中で重要人物だった3人の男性がそれぞれ亡くなってしまうというものでした。まず、アメリカ人として朝鮮に帰ってきたユジンは、エシンとともに満州へ逃げる列車の中で、朝鮮を守るために自死しました。そして、そんなエシンの許嫁だったヒソンは日本軍から拷問を受け死亡。さらにエシンに好意を寄せていたドンメは、かつて自分が所属していた団体「武心会」により殺害されます。遺されたエシンは、愛するユジンの「朝鮮を守る」という言葉を胸に、生涯を捧げる覚悟を決めるのでした。
まとめ
『ミスターサンシャイン』のあらすじやキャストについてご紹介しました。実話であるといわれた『ミスターサンシャイン』ですが、実際にモデルとなった人物や出来事が存在しているわけではなさそうです。しかし、アメリカ人として生きた朝鮮出身の人物で、かつ独立運動に関わっていたファン・ギファン氏とかかわりのある作品ではないかといわれたようですね。歴史における印象や、何が事実かを捉える基準は、日韓で大きく異なります。重いテーマではありますが、気になったらぜひ視聴してみてくださいね。